2018年8月29日水曜日

「積み重ね」の2学期~2学期始業式学校長の言葉~

2学期が始まります。皆さんは、平成最後の夏休み、心を磨く充実した時間にすることができたのでしょうか。

 
 先生は総体をはじめとした部活の大会の応援に、7月から8月上旬の1ヶ月半にわたって、どの部もそれぞれ少なくとも一度は行かせてもらいました。どの部活も手に汗かくような熱戦、そして心に響く素晴らしい演奏で、結果に関係なく本当にみんなきらきら輝いていて、応援していてとても感動しました。これは、みんなが毎日の練習を積み上げ、心、体、技術を磨いてきたからこそだと思います。おかげで先生は平成最後の夏を充実感で満たすことができました。ありがとうございます。

 人を感動させる力というのは、「積み重ねの力」だと考えます。例えば、すごい才能のある人が、いきなり良い成績を収めたとしても、周りの人は「すごい」とは思いますが、心の内側からわき出てくるような感動はしません。そこに至るまでの努力や苦労がわかるからこそ感動するのです。逆に言えば、そういうもの受け取る人もまた、いろいろ大変なことを経験したり努力を積み重ねてきたからこそ、共感や感動ができるともいえます。いわば「共感力」ともいえる力が、その人を魅力ある人間にしてくれるのだと思います。
 2学期は、そんな意味で、「積み重ね」の学期と言えると思います。いろいろな行事もあります。例えば合唱コンクール。クラスで気持ちを一つにして練習を積み重ねなければ、聞いている人を感動させるようなハーモニーにはなりません。みんなで練習してはじめて、足りないところ、合わないところ、もっと表情をつけた方が良いところなどが明らかになり、その積み重ねで少しずつ前進していくからこそ、聞いている人を感動させることが出来るのです。そしてまた一生懸命取り組んだ人ほどその苦労や大変さがわかるので、他のクラスの合唱を聴いて感動できる共感力がつき、魅力的な人となります。

  また、2学期は、学習の積み重ねの学期でもあります。少し話はずれますが、54年前の前回の東京オリンピックから現在まで、例えば100m走はどれくらい記録が上がったか知っていますか?答えは0.42秒。シューズの発達や科学的なトレーニングなど50数年前より格段に進歩しましたが、54年かけてまばたき位の差しか記録は伸びていません。しかし、そのわずかな差を埋める困難さ、そしてしなければいけない「努力の量」を理解できるからこそ、そのわずかな差を埋めようと努力する人達に感動するし、皆も応援するのです。
  学力、もっというなら入試も同じです。わずか1点に10人20人の同点者がいたりします。だから1点分でも多く理解する力を高めようと努力を積み重ねるのです。3年生はまさにそういう段階だと思います。きっと夏休みも努力をつみかさねてきたのだと思います。また、2年生も、入試に非常に大きく関係する学期です。1点を大切にする気持ちを持って普段の授業、そして2学期に2回ある定期テストに臨んでほしいと思います。1年生はそんな先輩たちの背中を見て、しっかりと自分たちの力をつけられるよう取り組んでほしいと思います。

  皆さんが、そんな「積み重ね」の2学期を充実させることができるよう期待しています。