3学期始業式の学校長の言葉です。
新年明けましておめでとうございます。
新年なので、「幸せ(しあわせ)」というおめでたい言葉について少しだけお話をしたいと思います。
昔は「仕(し)合わせ」と書きました。「し」は「する」という意味。元々は「神様がすること(つまり運命や巡り合わせ)に合わせる」という意味だそうです。相手が神様なので、逆らいようがなく、大切なのはそれに自分が「どう合わせるか」で「幸せ」になるか「不幸せ」になるかが決まる、ということだそうです。 だから、昔は、「しあわせ」がよい=運命に上手にあわせていくことができている。 「しあわせ」がわるい=運命に上手に合わせることができずにいる、という風に、「しあわせがよい」、「しあわせがわるい」という言い方をしたそうで、時代がたつに従って「しあわせがよい」=幸せ という意味になっていったそうです。 だから、「しあわせがよい」=「幸せになる」とは、「今の状況を受け入れ(受け身)」て、「その状況で何ができるかを考えていく(能動的)」、そんな受け身と能動的であることを同居させることが大切である、ということだそうです。運命や巡り合わせを素直に認め、受け入れる。騒がず、あわてず、受け入れることで心が澄んでくる。心が澄んだ状態で、目をこらし、耳を澄ませると、やるべき事が見えてくる。そうできれば、「幸せになれる」ということです。
しあわせは自分がつくるもの。そこで自分から動いて、置かれた状況で、どう道を切り開いていくか、幸せになるために、どう「し合わせ」をよくしていくか。新しい生活が始まる春に向けて、そんなことを考えられる3学期にしていってほしいと思います。
これまで話してきた、「できないことを数えるより、できることを考える」「上善水の如し」とも同じ考え方ですね。コロナ禍も、自分ではどうしようもできない事ですが、自分ができることはあります。手洗い・うがい、換気、密を避ける、そんな一つ一つの積み重ねが大切です。自分で「仕合わせ」をよくしていってください。
ちなみに英語で「幸せ」は「Happy」。
「Happy」の語源は「Happening(偶然の出来事)」と同じだそうです。日本語と同じなんですね。
昔は今よりも薬もなく、疫病にも対抗する手段がなく大変でした、だから、世界中で、古来から、そんなどんな時代にも通じる心の核になるような考え方が生まれていったのですね。
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