この年末に本校にもipadが40台導入され、1月28日(火)には職員対象に使用方法に関する研修会が開催されました。機器自体の性能向上に加え、無線で生徒それぞれが持つ各ipadを結び、生徒はそれを持って教室の内外、校舎外などを動き回って意見を交換したり、写真や動画をとり、レポートや作品等を作成してそれを即座に大画面で共有するなど、一昔前の固定してPCを使っていた時に比べ、「できることが増えた」というのが一番の感想でした。
愛川町の学校現場にPCが初めて導入されたのは1980年代後半から1990年代前半で、私が教員になっても間もない頃でした。その頃は、現在は姿を消した「ワープロ専用機」が学校の職員用としても使われていた時代でした。合わせてPC教室が整備され、教員6年目にはそれをどう生かしていくかという研究の主任に任命されました。おそらくは若くてその手の機器に抵抗が少ないだろうという事であったと思います。
当時のPCの性能は、記憶が間違いでなければ、メモリが1MBのうちの640KB、(『GB』ではありません。現在の数千分の一です)、HDD容量は20M、クロック周波数は16MHZと、現在からは考えられないほどの数字でした(ちなみにOS(現在のWINDOWS10やAndroidのようなものです)は『MS-DOS』でした)。できることも今にして思えば大変限定的でした。
しかし、当時は「すごいことができるようになる」というイメージが先行し、「授業のためのPC」ではなく、「PCを使うために授業をどうするか」というような発想がどこかにありました。
そんな中研究を進めていき、最終的には「授業を進める際、より生徒の理解を助ける場合は利用できるひとつの多機能道具」という結論に達しました。
現在から見れば、ごく当たり前のことなのですが、それまでとは異なる新しい機器が入ると、ついつい腰が引けてしまい、利用しないでそれまでのやり方に固執してしまいがちになるというのは、いつの時代でもあることです。しかし、「あくまで理解補助のための道具」と割り切って、その性能を知った上で「利用した方が生徒が理解しやすい」と思えるときに有効に活用する、といった事を忘れないで、授業力向上に向けた気持ちを持ち続けることが大切なのだと思います。
とはいえ、現在の生徒たちも先生たちも、みんなICT機器のネイティブという感じです。さっそく今日授業に使い始めていました。写真は女子の保健体育の授業です。きょうは「画面の大きなビデオカメラ」として使っていました。各グループに別れて練習し、ある程度できるようになったらそれをipadで撮影、それをみて修正する、そして続きの振り付けをやっていく、という内容でした。先生が順番にとってあげてそれをグループごとに集まって即座に見るのですが、「撮影したのみると、タイミングがずれてるのわかるね。」「まだまだ動きが小さいね」というようなことを自分たちで話し合いながら、次の段階へのモチベーションとしていました。
今後もいろんなアイディアで利用され、それが共有され、さらによりよい利用法が考案され、そしてそれが生徒に還元されていく、ということが続いていくようにしていきたいと思います。
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